特集 神経集中治療
3.神経学的所見と画像診断―撮像法と脳解剖の知識をベースとした画像診断に向けて
増本 智彦
1
,
椎貝 真成
1
,
檜山 貴志
1
Tomohiko MASUMOTO
1
,
Masanari SHIIGAI
1
,
Takashi HIYAMA
1
1筑波大学医学医療系臨床医学域 放射線診断学
pp.493-506
発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100552
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近年の画像診断の進歩はめざましく,医療において大きな位置を占めている。脳は動きが少ないため画像診断の対象として優れており,脳における応用を中心として画像診断が進歩してきたといっても過言ではない。本稿では,救急・集中治療の分野における脳の画像診断について,CT・MRIを中心に概説する。
Summary
●頭部の画像診断において,CTは放射線被曝があるが迅速に実施可能で,外傷の評価に適する。MRIは時間がかかるが,軟部組織コントラストに優れ,特に急性期梗塞では威力を発揮する。
●正常脳構造,特に運動野・言語野などの重要な領域や皮質脊髄路・脳神経などを画像で同定することは重要である。また,血管障害においては,動脈支配・静脈還流の領域を理解する必要がある。
●出血の画像所見は時間経過とともに変化する。通常はCTが評価に適するが,MRIが有用なケースもある。
●浮腫性病変においては,拡散強調像が細胞毒性浮腫(急性期梗塞など)と細胞外性浮腫の鑑別に有用である。
●頭部外傷において,びまん性脳損傷の評価にはMRIが適するが,現時点では限界がある。
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