特集 End-of-life
【コラム】米国医学部での生命倫理教育―一般臨床でも重要なbehavioral science
北野 夕佳
1
KITANO, Yuka
1
1聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 救急集中治療部
pp.43-48
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100380
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私は日本の医学教育を受け,臨床経験ののち,卒後9年目に米国医師国家試験(USMLE)を受験する際に,その一部としてbehavioral scienceを教科書,参考書をもとに学んだ。臨床経験を経たのちであったのでなおさらなのだが,私にとって,これは米国レジデントになる手段という以上に,目からうろこで,大変興味深く,実際の臨床現場に即役立つものだと感じた。同時に,自分がもっと若い頃に学んでいたら,患者との不必要な行き違い,患者への精神的負担が避けられたかもしれないと,自己嫌悪を伴う部分もあった。
私は現在,総合内科医をバックグラウンドとして市中病院で救急集中治療医をしており,緩和ケアや精神科,心理療法,医師患者関係などを専門としている者ではない。私が本章を紹介する目的として,それらを専門としない医師でも,基本的なbehavioral scienceの知識をもっていることが一般臨床にとって非常に重要であると考えるからである。今後,日本の医学教育あるいは卒後教育に,何らかの形でbehavioral scienceに相当するものが組み込まれることを望む。
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