特集 End-of-life
6.ヨーロッパにおける終末期医療―個人主義の国々における終末期医療の考え方
矢口 有乃
1
YAGUCHI, Arino
1
1東京女子医科大学 救急医学
pp.49-54
発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100381
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ヨーロッパは,ユーラシア大陸のウラル山脈西方の50の国々(2011年11月現在)からなる地域であり,その国の歴史,文化,民族,宗教,言語など,周知のごとく各国異なり,国の成り立ち自体も国境も,時代の変遷とともに変化を遂げてきた。4~5世紀のゲルマン民族の大移動で代表されるように,また,近年では,欧州連合(EU)設立に伴い,各国間の「ひと」の移動や移住は,戦争とともに歴史的に頻繁に行われてきた。とはいえ,「ヨーロッパ」と一言でいっても,そこには各国の地域性,民族意識が深く根づいており,各国間の相違が多々存在する。しかしながら,ヨーロッパ各国それぞれとではなく本邦と「ヨーロッパ」として比較することは可能と考える。
ここでは,私が滞在していたベルギー王国を中心に,ベルギー王国の医療現場,多国間の比較検討を行った自研究の結果,欧州集中治療医学会でのカンファレンスの参加経験から,ヨーロッパでの集中治療領域における終末期医療について,文献的考察を含めて言及する。
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