特集 Sepsis
15.sepsisにおける栄養管理
松浦 謙二
1
Kenji MATSUURA
1
1沖縄県立八重山病院 外科
pp.387-392
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100205
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1968年に外科のレジデントであったStanley Dudrickらによって確立された完全静脈栄養total parenteral nutrition(TPN)は,それ以降の重症患者の治療において,輸液・輸血療法に匹敵するほどの劇的な変化をもたらした1)。その後,外科のみならず各医療分野で基礎栄養学とその重要性が再認識され,近年では本邦でも各施設に栄養サポートチームnutrition support team(NST)が設立されるほどにまでなっている。
臨床栄養学の分野の発展はめざましく,この20~30年でその考え方や方法論は,経静脈から経腸管栄養へ,絶飲食から早期栄養へ,大きくシフトした。しかし,ここで重要なことは,どのような状況の患者であれ,いつも栄養介入nutrition intervention(NI)を考慮することである。集中治療の現場では,すべての患者を毎日,「循環・呼吸・感染…」と体系づけて評価していくことが求められるが,その際に必ず「代謝・栄養」の項目を忘れないようにし,消費熱量,必要熱量,病態別特殊性などを日々考慮するように思考回路を組み立てる必要がある。
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