特集 外傷
13.「特集 外傷」解説―外傷治療に特化した取り扱いの再確認を
松浦 謙二
1
Kenji MATSUURA
1
1沖縄県立八重山病院 外科
pp.615-616
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100331
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Intesivist誌の特集では,これまでARDS,Sepsis,AKI,不整脈,重症感染症,CRRTが取り上げられ,今回第7号においてはじめて外科系の外傷を取り上げた。本邦におけるICUの疾患構造は各施設によりさまざまではあるが,概して内科系と外科系が半々ではないだろうか。外科系のICU入室患者の大部分は術後管理であり,定型的治療・管理が必要とされるのに対し,外傷患者の場合は不安定状態・未診断病態であることも多く,管理にあたる集中治療医の知識と技量が特に重要となってくる。
ところが,外傷医療に特化した「蘇生」「高エネルギー外傷」「responder/non-responder」「切迫するD」という概念や,本特集でもたびたび登場する「ISS」「AIS」「PTD」「DCS」などの一般集中治療医には聞き慣れない略語も多い。さらに,外傷医療における標準取り扱いとして世界的に広く普及しているATLSⓇ,本邦においてはそれに準じるJATECTMという標準的取り扱いが存在する。
そこで本特集では,集中治療医に最低限知っておいてほしい事項に絞り,各分野のエキスパートにご執筆いただいた。ICUにおける管理が主題であるため,病院前治療・外傷初期治療・治療詳細に関しては割愛した。したがって,JATECコースを受講していない集中治療医,これから集中治療医をめざす若手医師は,是非この機会に受講し,外傷初期治療についての理解を深めていただきたい(http://www.jtcr-jatec.org/index_jatec.html)。
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