臨床研修セミナー 未熟児プライマリケア
Presumptive Sepsis
渡辺 洋子
1
,
仁志田 博司
1
Yoko Watanabe
1
,
Hiroshi Nishida
1
1東京女子医大母子総合医療センター新生児部門
pp.901-904
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208076
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未熱児に対しても積極的にintensive careを行うようになってきた今日,重症免疫不全状態ともいえる未熟児の敗血症に対して,より迅速な対応が大切である。
presumptiveとは,本来は"仮定の推定に基づく"という意味であるが,本稿では結果的にはsepsisの確証は得られないが,臨床経過やリスク因子からsepsisの疑いが強く,治療を行ったものをさす。なぜならば血液培養で菌が検出されている敗血症を治療することは容易であるが,未熟児では結果を待って治療を開始するのでは,すでに手遅れとなることが多い。即ち,黒の判定がでる前に灰色の段階をすばやくキャッチし,"疑わしきは罰する"の原則で速やかに検査・治療を始める必要がある。治療開始後に判定が白と解った段階で,抗生物質投与を中止すればよい。結果的に菌の証明できた例はごく小数であるが,presumptive sepsisは未熟児の管理に大切である。
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