特集 不整脈
4.心房細動治療の科学と実践:洗練された心房細動治療とは?
(5)抗凝固療法の適応と実際―予防治療と経食道心エコー法による塞栓源の精査
渡邉 英一
1
Eiichi WATANABE
1
1藤田保健衛生大学 循環器内科
pp.779-786
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100118
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高齢化社会の進行とともに,非弁膜症性心房細動 nonvalvular atrial fibrillation(NVAF)が増加している。心房細動はその持続期間により,発作性心房細動(発症より7日未満で自然停止するもの),持続性心房細動(発症7日以上でカルディオバージョンにより洞調律に復帰するもの),永続性心房細動(カルディオバージョンを行っても洞調律に復帰することのないもの)の3つに分類される。一般に,非弁膜症性心房細動に抗血栓療法を行わなければ,年間1~5%の頻度で塞栓症が起きるが,この頻度は心房細動の持続期間にかかわらず同等である1)。このため,心房細動管理において塞栓症(特に脳梗塞)の一次予防の重要性が高まってきた。
抗血栓療法は,抗血小板療法(アスピリンなど),抗凝固療法(ワルファリン,ヘパリン),および血栓溶解療法(t-PAなど)の3つに分類されるが,心房細動による塞栓症の予防には抗凝固療法が最も有効である。本稿では,非弁膜症性心房細動における脳梗塞リスクに基づいた予防治療や,経食道心エコー法による塞栓源の精査について述べる。
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