特集 不整脈
4.心房細動治療の科学と実践:洗練された心房細動治療とは?
(4)心房細動のrhythm controlについて―集中治療における除細動の適応と方法
朝田 一生
1
,
山下 武志
1
Kazuo ASADA
1
,
Takeshi YAMASHITA
1
1心臓血管研究所付属病院 循環器科
pp.773-778
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100117
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■集中治療における心房細動ガイドラインがない理由
集中加療中における心房細動について,しばしば治療方針が決定できず治療に難渋することがある。この理由には以下の2つが挙げられる。
1.集中治療に限らず,心房細動の治療には多くの治療手段があり,その優劣が完全には決定していない(非劣性はある程度示されている)。
2.心房細動の治療においては電気生理学や血行動態の理論に従って「有利と思われる治療」が否定され,理論に従ったというだけでは臨床アウトカムが必ずしも改善しないことがわかった。
日本循環器学会(JCS)のガイドラインも,この理由により決定的な治療方針を示すことができていない。抗不整脈薬の選択についても,理論に従った選択が必ずしも効果を表さず,アミオダロン以外の薬物については決定的な選択基準が示されていない。
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