特集 急性膵炎
7.CRRT(non-renal indication)の是非に関するpro/con―(2)con:エビデンスレビューからわかること
内野 滋彦
1
Shigehiko UCHINO
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.689-692
発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100098
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重症急性膵炎severe acute pancreatitis(SAP)患者の血液中には膵臓からの逸脱酵素やサイトカインなどの炎症性メディエータが存在し,それらが多臓器不全への進展に関与している,と考えられる。したがって,血液浄化療法を施行して病因物質を除去することが予後を改善し得る,という考えは直感的に理解できるし,目の前の重症患者を何とかよくしたいと思う医師には魅力的な概念である。しかし,すべての治療法には合併症やコストが存在するため,臨床医は冷静にエビデンスを吟味し,それにのっとった行動が要求される。本章では,PubMedを用いたシステマティックレビュー(もどき)の結果から,non-renal indicationとしての持続的腎代替療法continuous renal replacement therapy(CRRT)が,SAPに対する治療法として有効かどうかについて検討する。
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