特集 CRRT
14.敗血症に対するnon-renal indicationとしてのCRRT
内野 滋彦
1
Shigehiko UCHINO
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科 集中治療部
pp.383-388
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100298
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血液浄化に興味のある人なら,non-renal indicationという言葉を聞いたことがない人はいないだろう。試しに医学中央雑誌とMEDLINEで“non-renal indication(s)”を検索してみると,医学中央雑誌で34文献,MEDLINEで6文献がヒットした(2010年1月現在)。日本と欧米とで随分違いがあるように思われるが,海外ではこの表現があまり一般的ではないだけであって,概念そのものが存在しないということではない。実際,イタリアで毎年行われているInternational Course on Critical Care Nephrologyでのアンケート調査1)では,90%の参加者がnon-renal indicationを目的としてCRRT(持続的腎代替療法)を施行したことがあると答えている。また,AKIに関する国際観察研究のBEST Kidney study2)では,CRRTが施行された症例の10%以上において免疫調節が施行理由として選ばれている。
さて,国内外ともにこんなに“人気のある”non-renal indicationであるが,その人気はどれほどの根拠に基づいているのだろうか。本章では,non-renal indicationが行われる疾患としては典型的な敗血症を例にとって解説する。
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