症例ライブラリー 周術期の高体温
術中体温維持はできていた。にもかかわらずシバリングが生じた。なぜだ!?・・・「〇〇だからさ」
道宗 明
1
Doshu-Kajiura Akira
1
1日本大学医学部 麻酔科学系麻酔科学分野
キーワード:
非体温調節性シバリング
,
ペチジン
,
トラマドール
,
レミフェンタニル
Keyword:
非体温調節性シバリング
,
ペチジン
,
トラマドール
,
レミフェンタニル
pp.628-630
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202961
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■症例
44歳の男性。身長170cm,体重70kg。特記すべき既往歴なし。腰部脊柱管狭窄症の診断により,L2からL5にかけての脊椎後方固定術が施行された。運動誘発電位(MEP)モニタリング併用のため,プロポフォールの目標濃度調節静注target controlled infusion(TCI)とレミフェンタニルによる全静脈麻酔(TIVA)で管理した。筋弛緩薬の追加投与は行わず,術中のレミフェンタニルの投与速度は0.5μg/kg/minとした。術中は温風式加温装置を使用して加温を行った。
大きなトラブルなく手術終了を迎えたが,麻酔時間は約6時間に及んだ。術中体温(皮膚温)は手術開始前は36.5℃,手術終了時は37.5℃であった。麻酔薬投与中止後ほどなくして患者が覚醒したため抜管した。その後シバリングが生じたため,温風式加温装置と電気毛布で加温を行ったものの,病棟看護師が迎えに来るまでに全身の著明な発汗をきたし,病棟帰室後には体温が38.5℃まで上昇していた。
さて,あなたならどうする?
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