徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 病態生理を中心に
シバリングはなぜ起こるのか:周術期の体温調節性反応の機序
黒瀧 健二
1
,
齋藤 浩二
1
Kenji KUROTAKI
1
,
Koji SAITO
1
1東北大学医学部 麻酔科学・周術期医学分野
pp.852-854
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102221
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今日は比較的長時間の腹部手術の全身麻酔担当。手術は大きなトラブルなく終了し,患者も間もなく覚醒した。抜管後にほっとして退室させようと思ったのもつかの間,患者が寒さと痛みを訴えて,がたがたと震えだす。「シバリングだ!」と指導医に怒られ,自分の身も震えそうになる。 麻酔覚醒後のシバリングにはしばしば遭遇するが,いったい何が原因で起こるのだろうか? 寒さに対しての震えならば,寒さを感じないように室温を十分に上げて,患者の体温を手術前とさほど変わらない程度に保っておけば生じないはずなのに。普段,われわれの体温がどのような機序でコントロールされているか,また周術期は,普段とどう違うのかをみていこう。
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