徹底分析シリーズ この症例 全身麻酔は可能ですか?—麻酔のリスクをどう評価するか
小児の発熱—安全第一,品質第二,サービス第三で
一柳 彰吾
1
,
宮津 光範
1
Shogo ICHIYANAGI
1
,
Mitsunori MIYAZU
1
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
pp.68-72
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202429
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当日発熱,何度なら手術は中止?(湿性ラ音 あり/なし)
手術当日に38.0℃以上の発熱を認めている場合,原則,手術は中止とする。喉頭痙攣は2.3倍,気管支痙攣は4.2倍,その他の周術期呼吸器合併症perioperative respiratory adverse event(PRAE)は2.9倍,起こりやすくなるからである1)。withコロナな昨今は37.5℃以上を発熱と見なす場合もあるが,37.5℃と38.0℃でPRAEの発症率に差があるかはわかっていない。実臨床では38.0℃以上の発熱があると,手術中止について保護者や主治医が納得しやすい印象である。37.5〜38.0℃の場合は,咳や鼻水などの随伴症状の程度で決めるとよい。ほかのPRAEリスク因子があるかどうかも延期の決め手となる(表1)。湿性咳嗽や色付き鼻汁が出ている場合は中止が無難である(表2)。
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