徹底分析シリーズ 心電図Advanced—心電図の理解を一歩進める
巻頭言
坪川 恒久
1
,
山科 章
2
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
2桐生大学・桐生大学短期大学部 医療保健学部
pp.845
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202327
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- 文献概要
4月号の「心電図Basics」に続いて,今月の徹底分析シリーズでは,さらに理解を進める「心電図Advanced」をお届けする。「Basics」は術中に麻酔科医が見ているモニター心電図を特集したが,「Advanced」では,麻酔科医が術前診察時に見る12誘導心電図についてまとめた。われわれ麻酔科医は12誘導心電図を循環系のスクリーニングに用いているが,心電図に付随して出てくる機械診断のコメントを鵜呑みにし,異常については「循環器内科に丸投げ〜」というようなことはないだろうか?
まず,機械診断の特性を理解し,見落としや読み過ぎがあるのだということを意識する必要がある。次に循環器内科にコンサルトする場合は,焦点を明確にするべきである。循環器内科医は循環器疾患に関する豊富な知識をもっているかもしれないが,手術や麻酔に関する情報・知識は限られている。そこで,われわれは,①手術や麻酔の内容,②周術期の予想される問題点,③どのようなアドバイスを求めているのか,などを明らかにしたうえでコンサルトをするべきである。
今回は,循環器内科医と意義のあるやりとりをするための知識ベースを形成することを目的として,各分野のエキスパートである循環器内科医に麻酔科医に言っておきたい内容を中心に執筆をお願いした。また,心電図をより臨床に活かすために,経食道心エコーと心電図の関係についても1項目を設けた。さらなるチャレンジの一法として,最後に心電図検定についても紹介している。盛りだくさんの内容となったが,ワンランク上の麻酔科医を目指して役立ててほしい。
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