my styleシミュレーション
コロナ禍時代のシミュレーション—VRを用いたoff-the-job トレーニングの展開
横堀 將司
1
Shoji YOKOBORI
1
1日本医科大学付属病院 救命救急科
pp.494-498
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202252
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日本における救急車搬送は2019年には664万件/年を超え,10年前と比較して約30%増加し1),人口高齢化と相まってますます増加傾向にある。個々の患者に迅速かつ最善の治療を施すのが医師の使命であり,救急診療の場においても常に診療の質を保つことが不可欠である。また超高齢化社会に突入しますます増加する急性期疾患に立ち向かうべく,学生にも十分な教育が必要である。
しかし今,医学生・看護学生は国家試験対策,若手医師・看護師は働き方改革による労働時間制限やコロナ禍による実習中断のためにon-the-jobトレーニングによる自己研鑽の場を失いつつある。緊迫した救急現場では,患者救命優先のため,医学生・看護学生や若手医師・看護師は患者に近寄ることもできない。現場では,より効率よく,リアルで,インプレッシブな医学教育手法が求められている。
そこでわれわれは患者や家族の許可をもらい,熟練した医療スタッフによる淀みない初期診療をバーチャルリアリティ(VR)化し,学生授業や若手医師・看護師教育に活かす取り組みを始めた。
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