Derm.2021
コロナ禍での人とのつながり
倉田 麻衣子
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
pp.47
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206329
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私の外来診療のモットーは,とにかく笑顔で元気に患者さんに接することである.生物学的製剤が幅広く使用されるようになり,皮膚疾患の治療は大きく変わりつつあるが,まだ多くの皮膚疾患は慢性に経過し,内服や外用療法の継続が必要である.受診後少しでも元気になって帰ってもらえれば,治療のモチベーションも上がるのではという期待もある.コロナ禍で不安を抱えながら受診する患者さんも多いが,「受診するのは心配だったけど先生の声を聞いて元気をもらった.今日来て本当に良かった」と言って帰っていく患者さん達から,漠然とした不安の中で外来を行っている私も元気をもらい,コロナ禍での診療のモチベーションにつながっている.ソーシャルディスタンスの徹底から,医局で交わす他愛のない会話はもちろんのこと,カンファレンスや講演会などで多くの先生方と顔を合わす機会がほとんどなくなる中,コロナ前と変わらない患者さんとの何気ない会話のぬくもりや安心感はかけがえのないものだと改めて感じている.
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