VRシミュレーションによる医学教育：VRけん玉訓練システムを医療に応用

Medical Education through VR Simulation：VR Kendama Training System Applied to Medicine

はじめに

　バーチャルリアリティ（virtual reality：VR）とは，人工的に現実のような感覚を発生させる技術である。現実のような感覚を発生させるとは，VR空間の中で人が何か動作をすると，それをした結果として起きることが物理空間で起きることと同様であると，その人が感じられるようにすることである。しかしながら，VRは物理空間と同様の臨場感のある空間を提示するだけではなく，デジタルな空間ならではの物理的には実現が難しいことを実現することができる。われわれは，デジタルな空間ならではの性質を活用してVRけん玉訓練システムである “けん玉できた！VR” を開発した。さらに，その技術を応用してVR医学教育システムを開発した。本論文では，VRとVR医学教育システムについて概説する。

　Virtual reality（VR）is a technology that artificially generates a sense of reality. VR does not only present a space with the same sense of presence as a physical space, but can also realize things that are physically difficult to achieve in a digital space. We have developed CanKendama：a VR kendama training system that takes advantage of the unique properties of digital space. Furthermore, we have applied this technology to develop a VR medical education system. This paper outlines VR and the VR medical education system.