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Anesthesia & Analgesia
Infographics:
Nathan N. Crosshairs on cancer:propofol versus inhalational agents and cancer outcomes. Anesth Analg 2021;132:622.
Article:
Chang CY, Wu MY, Chien YJ, et al. Anesthesia and long-term oncological outcomes:a systematic review and meta-analysis. Anesth Analg 2021;132:623-34.
■麻酔と長期予後との関係
麻酔と予後との関係についてのこれまで研究は,術直後から術後1か月程度に起こる合併症や死亡率を主眼とするものであった。麻酔と長期予後について注目されてきたものは,小児における麻酔薬への曝露と中枢神経系障害,成人における高次脳機能障害,輸血とがん再発などを含む長期予後,そして今回の論文で取り上げられたような麻酔薬とがん手術の生存率などである。
麻酔薬とがんの再発や患者予後を研究する場合は,術式や患者要件がそろえにくい,後向き研究が多いといった問題点がある。一方,個々の麻酔薬については,腫瘍細胞の増殖や血管新生,浸潤などに関係する免疫系や,低酸素誘導因子hypoxia-inducible factor(HIF)-1αやトランスフォーミング増殖因子transforming growth factor(TGF)-β/Smadなどに対する作用が基礎的研究で解明されてきている。しかし,それら基礎的研究の結果と,臨床研究の結果が合致するとは限らないことが問題である。
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