徹底分析シリーズ レミマゾラム
巻頭言
坪川 恒久
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.599
発行日 2021年6月1日
Published Date 2021/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202001
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- 文献概要
レミマゾラムが使えるようになって半年が経過した。臨床麻酔での使用は日本が世界で最初である。これまでの多くの薬物は,欧米で10年くらい先行して使用され,そのうえで日本へ導入されてきた。また,論文では見かけるがいまだに日本に導入されていない薬物も数多い。日本での先行使用は,麻酔科で使う鎮静薬・鎮痛薬の領域では初めてのことではないだろうか?
誇らしい気分であるが,同時に責任も生じている。この薬物に関して得た知見をいち早く世界に知らせるのは日本の麻酔科医の責務となっている。とはいえ,世界初ということは情報がほとんどないことをも意味していて,手探り状態が続いている。10年以上前にこの薬物の治験に参加したときの印象はすでに薄れているが,使い道が限定されるように感じた。しかし,今,実際に使い始めてみると,「こういうことにも使えそうだ」と,さまざまな可能性を感じている。
今回の徹底分析シリーズでは,日本の麻酔科医がレミマゾラムを臨床麻酔で使用していくための現時点での最大限の情報を提供している。読んでいただくと,「これからすべきこと」がどんなにたくさん残されているかということに気づかれることと思う。
せっかくのアドバンテージですから,十分に活かして世界に情報を発信していきましょう。なにをやっても「世界初」の研究になりますよ!
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