徹底分析シリーズ ペースメーカ使えますか?
巻頭言
坪川 恒久
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.1041
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201794
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- 文献概要
「ペースメーカ使えますか?」という質問に対して,「はい,もちろん」と答えられる麻酔科医は意外に少ないと思う。心臓麻酔を担当していれば,日常的に使いこなしている“ただの箱”かもしれないが,多くの麻酔科医にとっては,「強い味方であり最終兵器だけれど,使用方法を誤ると逆に心室性不整脈を誘発してしまうリスクもある。しかも使い方には自信がない…」という認識ではないだろうか。
麻酔科医とペースメーカの接点は二つある。一つは,心臓麻酔中のように自分の手元にコントローラがあり自ら操作する場合であり,もう一つはペースメーカ(除細動器を含む)が植え込まれている患者の麻酔を担当する場合である。いずれの場合も,危険を避けて有効に活用するためには,十分な知識が必要である。
本徹底分析シリーズでは,より実践的な内容になるよう,植込み型ペースメーカについては主に循環器内科医に,体外式ペーシングに関しては麻酔科医に執筆をお願いした。また,近年増加しているTAVIなどの血管内手術時の“rapid pacing”についても別に項を立てた。明日からの読者の臨床に役立てば幸いである。
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