徹底分析シリーズ —一時総括—COVID-19時代の麻酔
巻頭言
仙頭 佳起
1
,
末盛 泰彦
2
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
2福岡リハビリテーション病院 麻酔科
pp.137
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201895
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- 文献概要
気がつけばもう丸1年。日本で初めてのCOVID-19患者が認められてから,麻酔科医も,陽性患者や疑い患者への対応,環境整備など,それまでになかった対応を求められてきた。「コロナ対応」は息苦しく,視界は悪く,汗をかき,そしてやはり恐ろしい。それでもそれぞれの持ち場で精一杯やっている。
本徹底分析シリーズは,COVID-19初回流行による医療逼迫状況を乗り越えた2020年7月初頭に企画された。その時点での各施設の経験知を共有し,これからの麻酔について考えることは,まさに現在再び対峙することになったさらなる襲来に必ず役に立つと信じていた。
自施設の経験から世界で共有されるエビデンスまで,気道確保の戦略から病院の運営まで,感染症学から数理科学まで。各執筆者には,実にさまざまな視点から“COVID-19時代の麻酔”について論じていただいた。多面的な医療のなかで麻酔科医が担い得る役割について深く考えさせられ,揺るぎない確信とともに大いなる可能性も感じることができた。
「ピンチはチャンス」である。今回の特集が,今日も歯を食いしばって現場で頑張っている同志たちをねぎらい,讃え,そして鼓舞するものであることを願う。
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