症例ライブラリー 肺切除術の周術期管理
巻頭言
仙頭 佳起
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科 心肺統御麻酔学分野
pp.935
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320100935
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- 文献概要
硬膜外カテーテル留置または神経ブロックが成功したと思ったら,難度が通常よりも上がるダブルルーメン気管支チューブの挿管が待っている。よい位置に決まったら次は動脈ラインの確保,側臥位への体位変換と良肢位の調整,分離肺換気の開始…。呼吸器外科手術の麻酔導入は忙しい。術中・術後にも想定内外の問題が発生することが多く,高度な知識と技術が求められるため,大変ながらもやりきったときは充実感がある。肺切除術や呼吸器外科手術に特有の対応ポイントは数多く存在するが,それら一つ一つに自信をもって対応できるようになることは,麻酔科医としての大きな成長につながる。今月号の「症例ライブラリー」には,肺切除術を安全に完遂するための基本的な知識と技術が詰まっている。麻酔を始めたばかりの若手には,まずは基本をしっかりと理解してもらい,経験豊富なベテランには,その奥深さを改めて感じていただきたい。
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