徹底分析シリーズ 術後ケア再考:PACUと麻酔科医の役割
巻頭言
仙頭 佳起
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
pp.239
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201331
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- 文献概要
LiSAが創刊以来の「麻酔を核とした総合誌」から「周術期管理を核とした総合誌」に進化したのが2018年(Vol.25 No.1)。麻酔科医に求められる役割が拡張していくなかで,術前と術中の管理はかなり充実してきたのを実感しますが,さて,術後はいかがでしょうか。
本徹底分析では,手術を受けた患者に対する術後ケアの体制と,そこへの麻酔科医のかかわり方を見直したいと思います。特に,ICUで手厚い術後集中治療を受ける一部の患者以外の,つまり,術後は一般病棟に戻るその他大勢の患者の術後ケアについてです。
日本でも,PACU(postanesthesia care unit)の活用が注目されています。麻酔科医が看護師など他職種と協働して,術後患者の全身状態への継続的な監視と遅滞のない介入によって,全身状態を確実に安定させ,良好な術後経過のコースに乗せてから患者を一般病棟へ移すことがPACUの目的です。
麻酔科医として理想的な周術期管理をイメージしたときにどこか気にかかっていた,「なかなかそこまで手が回らない」という部分に向き合うきっかけとなれば嬉しく思います。
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