徹底分析シリーズ 術前内服薬はそれでいいのか?—止めてはいけない理由,続けてはいけない理由を知る
巻頭言
仙頭 佳起
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科 麻酔科学・集中治療医学分野
pp.643
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201142
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- 文献概要
近年,問題視されている内服薬の多剤併用polypharmacyは,周術期管理にも影響を与えている。持参薬の長いリストを前に術前の内服薬指示を出す麻酔科医が苦悩する場面も多い。これはリストの中に,休止しないと手術が延期となってしまう薬品と,長期予後を含めて中断のデメリットが認識されるようになった薬品とが混在しているからだろう。
「内服薬をなんでもかんでも休止するのではなく,より質の高い周術期管理を念頭に,できる限り継続したほうがよいのではないか」という声も耳に入ってくるが,実際には判断が難しい。そこで,今回の徹底分析シリーズでは,周術期の内服薬管理について知っておくべき知識を整理した。前半では総論として,周術期内服薬管理の基礎知識ならびに周術期管理チームにおける麻酔科医と薬剤師の連携について,後半では各論として,「継続すべき」「休止すべき」という結論よりも,むしろメリットとデメリットの根拠や理由を,術前内服薬ごとに解説している。
さあ,昨日までの術前内服薬の管理を見直して,今日から一緒に,より質の高い周術期管理を見据えて継続や休止を決められる麻酔科医を目指そうではないか。
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