徹底分析シリーズ 「抜管」と向き合う
巻頭言
仙頭 佳起
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 心肺統御麻酔学分野
pp.361
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202888
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- 文献概要
春になり,今年度もまた,この麻酔科界に新たな仲間を迎えました。麻酔は興味深く,楽しく,そしてこわいものです。歩いて手術室に来た患者を昏睡させる全身麻酔の導入もこわいですが,患者を覚醒させて,それまで頼り切っていた気管チューブに別れを告げる抜管もかなりこわいです。
抜管には危機が多く潜んでおり,重篤な合併症が起こってきたのは事実です。抜管の手技そのものは抜くだけなので簡単なことだと思ってしまうかもしれません。しかし,そこにある評価や判断は相当に複雑であることを認識してもらえるよう,本徹底分析シリーズを企画しました。サラリと抜管する普段の様子からは少しわかりにくい,先輩たちの抜管に向き合う姿勢と考えを各論稿から読み取ってもらえれば嬉しいです。
麻酔科医として歩み始めた読者は,「ひとりで抜管していいよ」と許可される頃にもまた読み直してみてください。だいぶ歩んできた読者も,この機会に抜管と向き合い直して後輩の指導に役立ててください。
これからも毎日の抜管に,心して臨んでいきましょう。
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