徹底分析シリーズ もう一度始める神経ブロック
効かないのにはわけがある—ブロックを成功に導く四つの要素
森本 康裕
1
Yasuhiro MORIMOTO
1
1宇部興産中央病院 麻酔科
pp.1266-1268
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201265
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筆者が超音波ガイド下末梢神経ブロックを始めてから,10年ちょっとが経過した。当初は一部の“新し物好き”が行っていたが,今やほとんどの施設で行われるようになった。当時は英語の教科書しかなく,情報の入手も容易ではなかったが,今では教科書も多くあり(表1),必要な知識を日本語で得ることができる。募集開始と同時に満席となっていたハンズオンセミナーは,開催数が増え容易に受講できるようになった。また,超音波装置も神経ブロックに適した装置が普及した。いろいろな面で神経ブロックがやりやすい環境が整ってきた。
ところが,学会などでいろいろな麻酔科医と話をしてみると,神経ブロックの現状はそれほど明るくないこともわかってきた。特に多いのが,最近の流行だからと始めてみたが,いざ自分でやってみると難しい。しかも本当に効果があるのかわからず,やめてしまったというものである。さらに話を聞くと,そうなる理由もみえてきた。
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