徹底分析シリーズ もう一度始める神経ブロック
こうすればうまくいく①—あなたの神経ブロックは「麻酔」?それとも「鎮痛」?
上嶋 浩順
1
Hironobu UESHIMA
1
1昭和大学病院 麻酔科
pp.1270-1272
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201266
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麻酔科専門医資格を来年取得する予定の麻酔科5年目のK先生は,重篤な心血管系合併症をもつ55歳の男性の足関節手術を担当するとき,「区域麻酔法」ではなく「全身麻酔法」を選択した。この選択にはK先生の苦い経験が影響している。
以前,よく似た症例に対して,神経刺激併用超音波ガイド下(膝窩アプローチ)で坐骨神経ブロックを行ったが,坐骨神経領域の鎮痛は完璧だったにもかかわらず,手術開始時の皮膚切開から痛みのコントロールができず,全身麻酔に切り替えなければならなかったのである。K先生は,このような経験を繰り返さないため,重篤な心血管系合併症を併発している患者にさえ,神経ブロックではなく全身麻酔法を第一選択として手術を行うようになっていた…。
本稿では,K先生のような過去の苦い経験から神経ブロックをやめた麻酔科医が,もう一度,神経ブロックを行うきっかけになるように「有効な神経ブロックの活用法」を解説する。
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