病院の窓
病院管理四つの提唱
今村 栄一
1
1前国立小児病院
pp.533
発行日 1978年7月1日
Published Date 1978/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206579
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1)病院を家庭のように
大昔,病院は死にに行く場所であったが,医学の進歩により,現在では病気をなおしてもらいに行く場所となった.しかし病院の生活は家庭生活とは異質のものである.それを補うために,看護やハウスキーピングの機能があるが,まだ十分とはいえない.重症患者の中には,家庭に戻って死にたいと願っているものがいる.アメリカの一部で,最近家庭分娩への指向が見られているが,それに合わせるように分娩のために入院する病室のデザインを,家庭と同じようにしている病院がある.すべての病室を家庭の部屋のように構成することは困難であろうが,少なくとも現在のように「病室」そのもので済ませておいてよいものではなかろう.たとえば,小児の看護婦がピンクの看護衣を着るということで済まされるのではなく,小児の病棟のすべてを家庭と同じようにするという展開があってよいのではないか.
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