徹底分析シリーズ こんな時どうする? 腹部コンパートメント症候群の周術期管理
ケーススタディー:腹部大動脈瘤破裂—ステント時代におけるACSを意識した周術期管理
市野瀬 剛
1
Tsuyoshi ICHINOSE
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院 末梢血管外科
pp.1192-1195
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201252
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破裂性腹部大動脈瘤ruptured abdominal aortic aneurysm(RAAA)に対する緊急ステントグラフト内挿術では,腹部コンパートメント症候群abdominal compartment syndrome(ACS)の発症がその予後に大きな影響を及ぼします。ACSを認知し,早期に診断し介入をすることで予後改善が期待できます。換気が悪くなってきた,状況の割には血圧が出ない,などのときは,ACSの可能性を認識し,救急医,外科医,麻酔科医,看護師で認識を共有することが必要です。外科医としては緊急事態に動じずに,常に多くのコメントに耳を傾け,手術室全体の雰囲気を良くして,良好なコミュニケーションを取れる環境を心がけたいところです。術後管理においても開腹減圧術の適応や閉腹のタイミングなど,救命の達成のために緊密な連携が必要です。
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