特集 症例による急性腹症の画像診断
腹部大動脈瘤破裂
真栄城 優夫
1
Masao MAESHIRO
1
1沖縄県立中部病院外科
pp.1207-1209
発行日 1985年9月20日
Published Date 1985/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209113
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症例
80歳,男性.生来健康で,年齢に比し活動的.1人住まいをしていた.時々,腰痛がある以外,特記すべき既往歴はない.入院当日の午前11時頃,屋内に倒れている所を,訪問してきた家人に発見され,救急センターに搬入された.意識低下のため,胸痛,腹痛,腰痛の有無など,一切の病歴は聴取不能である.
最高血圧60,脈博140と明らかなショック状態であつた.直ちに下肢高挙,酸素投与,鎖骨下静脈穿刺による静脈確保,CVPの測定,EKG,動脈血ガス分析などがチェックされた.EKGに異常なく,CVPは低値で肺水腫の所見のないことが確認されてから,乳酸加リンゲルの急速輸液を行った.1,000 mlの輸液で血圧は80まで回復し,腹部に大きな搏動性腫瘤が触知できた.超音波エコーは図1の像を示し,腹部大動脈瘤破裂と診断され,直ちに救急手術が行われた.
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