症例カンファレンス
小児の整形外科的先天異常の麻酔—気道管理を中心に—
宮津 光範
1
,
山口 嘉一
2
,
竹中 伊知郎
3
,
長谷川 達也
4
,
香川 哲郎
4
Yoshikazu YAMAGUCHI
2
,
Ichiro TAKENAKA
3
,
Tatsuya HASEGAWA
4
,
Tetsuro KAGAWA
4
1あいち小児保健医療総合センター 麻酔科
2Nationwide Children's Hospital 麻酔科
3九州労災病院 麻酔科
4兵庫県立こども病院 麻酔科
pp.1039-1058
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201221
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今回は,小児の整形外科的先天異常疾患に伴うdifficult airway management(DAM)症例を取り上げる。近年,さまざまなタイプのビデオ喉頭鏡や声門上器具(SGA)の新規デバイスが小児でも使用可能になってきた。一方で,小児のDAM症例において,意識下挿管や外科的気道確保が困難であることは永遠に変わらない。使用可能なデバイスがたくさんある時代だからこそ,その選択に迷うことも多く,より洗練された使い方—気道確保戦略—が求められている。それらの事情を踏まえたうえで,これから提示する小児のDAM症例を読者と一緒に考えたい。
今回は,背景の異なる三つの施設にPlanを提示していただいた。各施設の経験にもとづいた独自の工夫や哲学があり,たいへん読みごたえのある内容になっている。アプローチが多少異なっていても,根底に流れるエッセンスは共通である。絶対的な正解はない話なので,なかには同意しかねる部分もあると思う。各自読み終えたら,自施設でとられ得る戦略について,ぜひ仲間とともに議論していただきたい。「自分ならこうする」「もっとこうしたほうがよかったのではないか?」など,日頃から議論を行っておくことが,いつか来る小児のDAM症例への備えとなろう。
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