特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
上位頸椎の先天異常—環椎を中心として
大井 利夫
1
,
平野 彰三
1
,
鍋島 和夫
1
,
小林 紘一
1
,
土川 秀紀
1
Toshio OI
1
1上都賀病院整形外科
pp.889-891
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908494
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環椎は系統発生学的には,Basal plate直下の脊椎原基の5〜6番目より形成され(始めの4〜5コのいわゆるOccipital sclerotomeは後頭骨の底部を形成),Tönduryによると環椎外側塊および後弓と前弓部では発生由来を異にしており,いずれにしても,このmesenchymal massの軟骨化の時期には既にその形をなし,胎生7週に外側塊より骨化が始まるとされている.
環椎は,後頭骨,軸椎を含め,その発生学的な複雑さより,先天異常が少なくなく,文献上様々な形の報告が見られ,しかもそれらが合併して存在することが多いという特徴がある.これら先天異常の形につき,従来,種々な名称がつけられ統一されていないが,演者は第1表のごとき分類を試みている.第1表の右側はTorklusらの分類の対応するものを示している.
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