徹底分析シリーズ ダブルルーメンチューブ
ダブルルーメンチューブをいかに抜管するか—外科医の立場から
石橋 洋則
1
Hironori ISHIBASHI
1
1東京医科歯科大学 呼吸器外科
pp.558-563
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201128
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life-saving organである肺によって行われる呼吸を麻酔薬と人工呼吸器で管理する全身麻酔において,その気道・肺・胸郭を切除再建する呼吸器外科の周術期管理,特に術後合併症の予防には,呼吸器外科医の十分な経験・技量,さらには麻酔科医との十分な協力・協調(いわゆる阿吽の呼吸)が必要不可欠であり,麻酔科医にもその技量が問われる(コメント1)。
外科手術で体力が低下した患者を無事退院させるべく,外科医は術後合併症回避に全力を注いでいるが,近年は手術の低侵襲化に伴い減少傾向にある。呼吸器外科手術で最も多く,入院期間に最も影響する合併症である術後肺瘻の原因の一つであり,防ぎ得る原因として,麻酔覚醒・ダブルルーメンチューブdouble-lumen tube(DLT)抜管時の咳嗽がある。
本稿では,代表的な呼吸器外科手術術式である肺葉切除後にDLT抜管時咳嗽を予防するために当院で麻酔科医の協力のもと行っている工夫を紹介,解説する。
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