徹底分析シリーズ 術前診察 基本の「き」
気道評価の実際—複数の危険因子を組み合わせて評価し,困難気道を予測する
白石 としえ
1
Toshie SHIRAISHI
1
1四谷メディカルキューブ 麻酔科
pp.420-427
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201100
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術前診察を誰がどのように行っているかは各施設によって異なるであろうが,特に気道評価は,手抜きは禁物!である。なぜなら他の偶発症(出血,アナフィラキシーショック,悪性高熱症,肺血栓塞栓症など)は,術前に十分備えていても予防が難しいことがあるが,気道トラブルの多くは,術前の予測や麻酔科医の技術や判断力によって危機的状況を回避できるからである。
気道評価の研究は,2000年にLangeronらが先駆けとなり,マスク換気困難difficult mask ventilation(DMV)のリスク評価についての道を拓いた1)。その後,Kheterpalらが研究を重ね,マスク換気だけでなく,気管挿管困難difficult laryngoscopy(DL)についても議論を深めた2)。これらは術前気道評価の鍵となる論文であり,ぜひ通読しておいていただきたい。
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