徹底分析シリーズ 知っているようで知らない手術室の設備
巻頭言
水谷 光
1
1大阪労災病院 麻酔科・中央材料室
pp.169
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201052
- 販売していません
- 文献概要
病院は,かなり特殊な建築物の一つである。その中でも手術室は「手術」に特化したきわめて特殊な部屋なのは間違いない。ところが,手術室をホームグラウンドとする麻酔科医は,手術室の設備について関心をもたずに過ごしてしまいがちである。普段から目にしているのに改めて問われると知らないことや,詳しくないことが意外とある。手術室の天井や壁には,手術や麻酔を行うための設備だけでなく,感染対策や感電対策が散りばめられている。そして,客人である患者や毎日暮らす住人であるスタッフの快適さを考えた仕組みも多くある。そんな手術室の設備について,代表的な国内企業の専門家に解説をお願いした。「これから設計する」のではなく「今ある手術室を使う」目線で,手術室の総論から各論,そして応用として環境対策とハイブリッド手術室について取り上げた。
手術室の設備について知らなくても今日の麻酔はできてしまうが,知っていて損はない。ちょっと困ったとき,例えば不具合や災害時には間違いなく役に立つ。また,麻酔は手段であって目的ではない。手術を行うために麻酔するのである。私たち麻酔科医は,薬や医療機器がないと麻酔できないのはもちろん,そのために特化した手術室でないとうまく仕事ができない。さあ,手術室の住人として,知っておくべき知識を整理しておこう。
Copyright © 2018, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.