症例ライブラリー 術後の神経障害:上半身編
巻頭言
水谷 光
1
1千船病院 麻酔科・手術中材センター
pp.731
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202599
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- 文献概要
手術が終了して,覚醒から抜管と首尾よく進み,PACUに収容して緊張の糸がほぐれかけた時に「手がしびれてます」と訴えられることがある。あるいは,病棟から電話で「昨日の患者さん,手がしびれているみたいで」と伝えられると,上を向いていた気分は一気に下り坂を転げ落ち始める。しかも,主治医や病棟看護師に「麻酔のせい」と決めつけられてしまっていてはなおさらだ。でも事実は事実。患者が嘘をつくことはない(だろう)。術後の神経障害は,忘れた頃に起こるものだ。今月は,そんな症例を集めた。提示された症例に,自分だったらどう対応するか,少し考えてからその先を読み進めてほしい。
本ライブラリーは2023年4月号「術後の神経障害:下半身編」の姉妹編である。併せて読むことをお勧めする。そして,神経障害に適切に対処するだけでなく,その予防に努めるよう,心がけていただきたい。
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