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The New England Journal of Medicine
Editorial:
Dellinger RP, Trzeciak S. Angiotensin Ⅱ for the treatment of vasodilatory shock - promise and caution. N Engl J Med 2017;377:486-7.
Article:
Khanna A, English SW, Wang XS, et al. Angiotensin Ⅱ for the treatment of vasodilatory shock. N Engl J Med 2017;377:419-30.
■血管拡張性(分布異常性)ショックの治療上の課題
血管拡張性ショックはショックの約2/3を占めている。その中でも多いのが,敗血症性ショックである。敗血症性ショックでは,静脈拡張や血管透過性亢進による血管内からの体液漏出による前負荷減少,動脈拡張による体血管抵抗減少,炎症性サイトカインによる心機能低下などが起きている。Surviving Sepsis Campaign Guidelines 2016では,診断後6時間以内に集中治療室で,容量負荷(30mL/kg)を行い,十分な中心静脈圧を保ち(自発呼吸で8mmHg,人工呼吸で12〜15mmHg),それでも低血圧が持続する場合には,血管収縮薬を投与して平均血圧を65mmHg以上に保つことなどが推奨されてきた。血管収縮薬としてはノルアドレナリン(2〜20μg/min)を投与,必要に応じてバソプレシン(0.03〜0.04U/min)を追加,治療抵抗性の低血圧にはアドレナリンを投与することなどが推奨されている。
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