症例検討 予期せぬICU入室 3
術中,突然のST上昇後の循環虚脱—全身志向型の急性期循環管理
吉富 修
1
,
原 哲也
1
Osamu YOSHITOMI
1
,
Tetsuya HARA
1
1長崎大学医学部 麻酔学教室
pp.1196-1201
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例
48歳の女性。身長158cm,体重62kg。胆石症に対して腹腔鏡下胆囊摘出術が予定された。ときどき朝方に胸やけがする以外に特別な既往歴はない。胸部硬膜外併用全身麻酔とし,麻酔はレミフェンタニル,デスフルラン,酸素で行っていた。術中の血圧は110/70mmHg,心拍数66bpm,呼気終末二酸化炭素分圧(PETCO2)32mmHg,であった。胆囊操作時に心拍数が突然45bpmとなり,さらにST上昇,Ⅱ度房室ブロックを認めた。収縮期血圧は50〜60mmHgへ低下した。ニコランジルの投与を開始した。血圧低下に対して,当初はフェニレフリン静注,その後,ノルアドレナリンの持続静注を行った。手術は終了したが,血行動態不安定なので,ICUに入室することとした。
Copyright © 2017, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.