症例カンファレンス
Brugada症候群患者の帝王切開
秋永 智永子
1
,
阪上 愛
2
,
橘 一也
2
,
坊垣 昌彦
3
,
吉富 修
4
,
原 哲也
4
Ai SAKAGAMI
2
,
Kazuya TACHIBANA
2
,
Masahiko BOUGAKI
3
,
Osamu YOSHITOMI
4
,
Tetsuya HARA
4
1浜松医科大学 麻酔蘇生学講座/医学部附属病院 医療安全管理室
2大阪母子医療センター 麻酔科
3東京大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター/麻酔科・痛みセンター
4長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 麻酔集中治療医学
pp.697-716
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202297
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浜松医科大学医学部附属病院は2005年から,麻酔科医による分娩時の硬膜外鎮痛を提供してきた。医学的に分娩時鎮痛を必要とする症例だけでなく,無痛分娩を希望する妊婦にも硬膜外鎮痛を行ってきた。また,当院の無痛分娩,帝王切開の麻酔はすべて院内の麻酔科医全員で担当しており,本症例に限らず,高リスク症例は麻酔科医の意見を集約して一致した管理方針で進めていくことが必要となる。本症例は,局所麻酔薬を避けるべきとされている疾患を有する高リスク妊婦に当院が初めて対応したものである。痛みのないお産を求める患者の希望に応えること,周産期に母体の危機的状態を避け,よりよい育児のスタートを切ってもらうこと,をかなえるうえで,当院の課題が浮き彫りとなった症例でもあった。このような難しい症例について,3施設にPLANを立てていただいた。読者の施設では果たしてどうするか,考えながら読んでいただきたい。
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