症例検討 予期せぬICU入室 3
局所麻酔薬中毒—対処法を知らずしてブロックするべからず
穴田 夏樹
1
,
吉田 敬之
1
Natsuki ANADA
1
,
Takayuki YOSHIDA
1
1関西医科大学附属病院 麻酔科
pp.1190-1195
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201016
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症例
28歳の妊婦。身長150cm,体重40kg(妊娠時50kg)。妊娠35週で常位胎盤早期剝離の診断で,全身麻酔管理で緊急帝王切開を行った。帝王切開終了後,ガーゼ遺残確認のため腹部X線写真を撮影した後に,術後鎮痛を目的として両側の腹横筋膜面(TAP)ブロックを行った。TAPブロックには,0.375%ロピバカインを片側あたり30mL(計60mL,225mg)使用した。
続いて全身麻酔薬の投与を終了し,患者の覚醒を確認してから抜管した。
抜管して数分後から患者が不穏となり,血圧110/50mmHg,心拍数(HR)80bpmから,血圧170/100mmHg,HR 100bpmへ変化した。続いて全身性の痙攣をきたした後,血圧75/30mmHg,HR 140bpmの心室頻拍から心室細動に移行した。直ちに気管挿管を含めた心肺蘇生を行った。
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