特集 実地診療に役立つ睡眠時無呼吸症候群(SAS)と睡眠関連低換気障害の現況と課題
Ⅰ.睡眠呼吸障害の種類,病態生理と診断
OSAとCSAの頻度
和田 裕雄
1
,
木村 真奈美
1
,
谷川 武
1
1順天堂大学大学院医学研究科・公衆衛生学講座
pp.406-413
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200270
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Point
・OSAやSDBの有病率を検討する際は,その疾患概念および診断基準の歴史的変遷を考慮する必要がある.
・日本人のAHI,RDIあるいはODI≥15/hと定義したSDBの有病率は女性10%,男性20%前後と推測され,COPDと同程度である.
・SDBが及ぼす影響および意味合いは,職域やスポーツの領域で異なるため,対象集団を考慮した疫学的検討が求められる.
・心不全患者は健常一般人より高いCSA有病率を示すが,さらなる疫学調査が必要と考えられる.
・小児の睡眠呼吸障害の有病率はおおよそ数%程度と考えられ,自然史の解明,診断基準や治療適応基準の確立など,多くの課題がある.
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