徹底分析シリーズ 呼吸器疾患患者の周術期管理
比較的まれな呼吸器疾患—人工呼吸管理から肺を守るにはどうするか?
栗山 直英
1
,
西田 修
1
Naohide KURIYAMA
1
,
Osamu NISHIDA
1
1藤田保健衛生大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座
pp.852-857
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200943
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近年,一般的な周術期呼吸管理でも,急性呼吸促迫症候群(ARDS)に準じた低容量換気と気道内圧制限に加え,新たな指標であるdriving pressure〔プラトー圧と呼気終末陽圧(PEEP)の差〕を用いた呼吸管理法の有用性が報告されている。しかし,慢性肺疾患による高度呼吸機能低下症例の周術期呼吸管理法に関しては,個々の疾患に特化したさまざまな方法が提案されながらも,まだ十分なエビデンスをもつものはない。患者の病態と術前状態を正確に把握し,それぞれの麻酔法の利点を生かした周術期呼吸管理が重要である。
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