症例検討 鎮静
心臓手術後の抜管まで—スムーズな術後回復の流れに沿った鎮痛・鎮静管理を
山﨑 正記
1
,
橋本 悟
1
Masaki YAMASAKI
1
,
Satoru HASHIMOTO
1
1京都府立医科大学附属病院 集中治療部
pp.782-786
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200928
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症例
72歳の男性。身長168cm,体重65kg。既往歴に狭心症,陳旧性心筋梗塞にて経皮的冠動脈インターベンション(PCI),両側内頸動脈に50%程度の狭窄,著明な大動脈石灰化,ステージG3aの慢性腎臓病(CKD)〔血清クレアチニン(Cr)1.2mg/dL,推算糸球体濾過量(eGFR)46mL/min/1.73m2〕,高血圧,糖尿病がある。胸部大動脈瘤に対して大動脈弓部人工血管置換術が施行された。セボフルランにて麻酔を維持され,フェンタニルは750μg使用されている。人工心肺からは離脱し止血の最中からデクスメデトミジンの投与が開始されている。手術時間は6時間35分,人工心肺時間2時間50分,大動脈遮断時間1時間50分,順行性脳分離循環54分であり,術中の輸血は赤血球液8単位,新鮮凍結血漿(FFP)8単位,濃厚血小板15単位であった。手術終了後に,ICUへ移動時のトラブルを避けるために,ミダゾラム3mg,ロクロニウム20mgをボーラス投与された。
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