特集 経腟分娩vs帝王切開—分娩様式の選択と対応—
10.SLE合併妊娠の分娩様式・周産期管理
前田 裕斗
1
,
三戸 麻子
2
,
金子 佳代子
2
,
村島 温子
2
,
小澤 伸晃
1
,
左合 治彦
3
Y. Maeda
1
,
A. Mito
2
,
K. Kaneko
2
,
A. Murashima
2
,
N. Ozawa
1
,
H. Sago
3
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター産科
2同 周産期・母性診療センター母性内科
3同 周産期・母性診療センター センター長
pp.609-614
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001302
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全身性エリテマトーデス(SLE)合併妊娠は,母体のみならず胎児の予後も不良となるハイリスク妊娠である。SLE合併妊娠の分娩様式決定には母体・胎児の状態を考慮した総合的な判断が求められる。適切な分娩様式を選択するためには,妊娠中だけでなく,妊娠前から内科と緊密な連携をとりながら病勢のコントロールを行っていく必要がある。SLE合併妊娠において産婦人科医が検討すべき課題として挙げられるのは主に2つある。1つ目は妊娠高血圧腎症の合併や原病の増悪・胎児発育不全などで早期の娩出が必要となる場合にいかなる分娩様式をとるべきかということ,2つ目は満期に至った場合の適切な分娩時期・様式の選択である。本稿では,SLE合併妊娠の周産期管理について,上記のような問題点を中心に当センターのデータおよび先行文献から考察した。
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