徹底分析シリーズ 成人先天性心疾患
遠隔期合併症の病態と治療—特に心不全・不整脈
小野 博
1
Hiroshi ONO
1
1国立成育医療研究センター 循環器科
pp.414-420
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200560
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
先天性心疾患は,心室中隔欠損症など心内の単純な短絡疾患から複雑心奇形まで,さまざまである。その患者が成人に達したときの状態を,成人先天性心疾患と表現している。心房中隔欠損症や心室中隔欠損症の手術後で,術後まったく合併症もなく,いわゆる“根治”といってよい状態でフォローが終了している症例から,Fontan手術後で,チアノーゼはほぼ改善しているが血行動態としては正常とは言い難い状態の症例まで,その内容はさまざまである。
本稿では,以下の代表的な疾患に焦点を絞り,その疾患の遠隔期合併症とその治療に関して述べる。ただし,症例数が限られるため,治療に関して大規模な前向き研究は少なく,その有効性に関しては,症例ごとに検討する必要がある。
①Fallot四徴症
②完全大血管転位症(心房位血流転換術,Senning/Mustard手術後)
③修正大血管転位症
④Fontan手術後
⑤姑息術後・未手術症例
Copyright © 2016, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.