今月の主題 心不全診療の動向
特異性のある心不全の診断と治療
心不全に伴う不整脈
早崎 和也
1
1済生会熊本病院・循環器科
pp.66-67
発行日 1985年1月10日
Published Date 1985/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219579
- 有料閲覧
- 文献概要
心不全をきたすような心筋はその障害程度が強く,心筋の伸展,変性,壊死,線維化,虚血などが混在する.これらの障害の存在は,一方で電気的興奮の昂まりを,一方では興奮性の低下や伝導遅延をひき起こし,心筋内で電気的興奮性の差(local difference)を生ぜしめる.また,二次的に生じる電解質や血液ガスの異常,あるいは心不全治療に伴うジギタリス中毒などが不整脈発生の増悪因子となる.
不整脈をきたしやすい疾患は心筋症(なかでも拡張型心筋症),心筋梗塞(なかでも心室瘤を伴う場合),および心臓弁膜症に代表されるが,心疾患の如何を問わず,心不全をひき起こすほどに心筋障害が進行してくると不整脈が生じやすくなる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.