徹底分析シリーズ 麻酔手技に伴う合併症とインフォームドコンセント
医療メディエーションの可能性—誠実に対応したはずなのに… それでも上手くいかないときは?
髙田 真二
1
Shinji TAKADA
1
1帝京大学医学部 麻酔科学講座・医学教育センター
pp.1124-1128
発行日 2015年11月1日
Published Date 2015/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200427
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診療行為に伴う有害事象が発生した場合,「逃げない・隠さない・ごまかさない」の原則で,すみやかに患者・家族に情報開示し事実関係を説明することは,今では医療者の世界標準の行動規範である1)。
だが,誠意をもって冷静に対応し,医学的根拠にもとづき可能なかぎり正確な事実を伝えたにもかかわらず,患者・家族は納得しないことがある。それどころか,「こちらがこんなに苦しんでいるのに,なんでお前は他人事のようなそんな冷たい態度でいられるのだ!」と罵倒されることもまれではない。なぜこのような修羅場が生じるのか?誠実に真摯に患者に向き合おうとする医療者の行動だけではダメなのか?
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