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炊事場と飯蒸罐
四十九院 梧樓
1
1霞ヶ浦生活文化研究所
pp.24-30
発行日 1952年7月1日
Published Date 1952/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200510
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看護婦と食事の問題さえ片ずけば療養所の困難の大半が解決されるだろうというのが私の持論である。
ところが2つとも何時になつたら解決できるか,今のところ全くあてのない話であるが,關係各方面の理解によつて最近新しい炊事場を作ることが出來たので,多年の懸案の一部だけが解決に近づいた。病床が増築され患者の内容が複雑になつて來たのに建設當時の飯場式の手狹い,非能率的な,不衞生な古い炊事場ではその日暮しさえ,むつかしくなつてしまつていたのだから,味や榮養への努力などは殆んどプログラムによる餘地さえなかつたのである。古材をつかつての擴張工事ではあつたが,特に集團炊事の專門家の熱心な協力を得たことと,厚生省整備課の人達が私共の氣儘な注文に同情を以て協調してくれたおかげで,大體思い通りの機能が發揮できるようなものとなり面目を一新したのである。
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