連載 誌上FD 自己決定できる「女性」を育てる 気づきと目覚めのジェンダー教育・19
「専業主婦」幻想を砕く
沼崎 一郎
1
1東北大学大学院文学研究科
pp.574-577
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101815
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今回は,専業主婦がテーマです。近年,若い女性の専業主婦志向が強まっているとも言われます。理想は,高収入で家事育児にも協力的な男性を見つけて結婚し,夫は仕事と家庭を両立させ,自分は家庭と趣味を両立させることなのだとか。そして,フラワーアレンジメントでもガーデニングでも趣味が発展して仕事となり,収入を得られるようになったなら,もう最高。人気が出れば,カリスマ主婦の仲間入り。たとえそうなっても,あくまでも夫と子どもとの家庭生活を最優先し,決してオーバーワークはしない。そんな幻想を,多くの女性雑誌がふりまいています。
私の見る限り,看護系の学生の間では,このような専業主婦志向はそれほど強くないようです。大学の看護学科になると,大学生活をエンジョイしたいという比較的恵まれた女子学生もおり,そのなかには,こうした専業主婦志向を示す者もいます。しかし,多くの学生は,看護師として就職することを目指しています。専門学校の生徒になると,母親が看護師であるとか,働く母親に育てられた者も多く,就職志向は一層強くなるようです。
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