徹底分析シリーズ 小児の気道異常
困難気道へのアプローチ—換気の維持とデバイスの応用
糟谷 周吾
1
,
鈴木 康之
1
Shugo KASUYA
1
,
Yasuyuki SUZUKI
1
1国立成育医療研究センター 麻酔科
pp.668-673
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101200323
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声門上器具supraglottic devices,ビデオ喉頭鏡の開発・普及により,困難気道difficult airwayの管理は以前に比べ格段に容易となった。日本麻酔科学会(JSA)や米国麻酔科学会(ASA),さらに,Difficult Airway Society(DAS)の小児に特化したガイドラインなどは有益な一方で,困難気道の原因はさまざまであるために万能ではなく,患者の状態に合った気道管理計画は不可欠である。特に小児では,協力が得られにくいことから意識下挿管は選択しにくく,麻酔や鎮静を行うことで変化する気道開通性に合わせて管理方法を変更する臨機応変さも必要になる。気管挿管に固執せず,酸素化を改善させる手段として声門上器具を活用することが必要になることもある。小児の気道管理の安全性向上には,その特性の理解と,事前の情報収集,準備が成人同様に役立つ。
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